こんばんは
いろんなプロジェクトを掛け持ちしていると、1つ1つのプロジェクトにかける時間が少なくなるため、考慮漏れなどによるミスが多く発生してしまいます。
1プロジェクトに専念できるのが一番効率が良いと思うのですが、会社の売上を考えるとより多くのプロジェクトに参画することになるのは仕方のないことです。
さて、今回はこちらです。
タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫SF) | カート・ヴォネガット・ジュニア, 和田 誠, 浅倉久志 |本 | 通販 | Amazon
SF小説です。
私はとりあえず読み切りましたが、途中で挫折する人もいるだろうな、という感想の残る作品でした。
ざっとあらすじ(ネタバレあり)
火星に行くまで
ある日、あらゆることに恵まれていたマラカイ・コンスタントは、時間等曲率漏斗に飛び込んだのち波動現象となったウィンストン・ナイルズ・ラムファードの自宅に招待されます。
そこでマラカイ・コンスタントはマラカイが将来火星、水星、地球、タイタンの順で惑星を旅し、その旅の中で彼がウィンストン・ナイルズ・ラムファードの妻であるビアトリスと結婚し、子供を作る、という予言を告げられます。
その予言を信じることのできないマラカイは、今まで持っていた資産をすべて使い果たし、様々なものを失います。
今まで自身の会社の面倒を見てくれていた社長にも見捨てられたマラカイは、故人である父の遺言状を社長から受け取り、遺言状の「お前が無一文になって、誰かが突拍子もない話を持ち掛けてきたら、その話に乗れ」という言葉通り、マラカイのもとを訪れた謎の2人組の話に乗ることになります。
また、マラカイトは別で、ビアトリスもまたウィンストン・ナイルズ・ラムファードに予言を告げられるのです。
ここからは、舞台が火星、水星、地球、タイタンと移り変わります。
ただ、あらすじを書くのが面倒になってしまったので、気になる方はぜひ作品を読んでみてください。
感想 (ネタバレあり)
作者が想像した未来の世界を文字にし、小説にしたものがSF小説だと思っていました。
ただこの作品は、たしかに未来的な要素はあるものの、どちらかというと独特な世界観を表現している要素のほうが強い印象を受けます。
もちろん、酸素玉や高性能宇宙船、トラルファマドールのサロなど、現代では考えられない技術が登場するのですが、私はそういった技術よりも水星に生きるハーモニウムやタイタンの環境など、未知の惑星の生き物・環境の描写が強く記憶に残っています。
さて、この本の中身についてですが、冒頭でも書いたとおり「挫折する人が多い」のも少しわかる作品でした。
まず、いきなりでてくる「時間等曲率漏斗」がすでに難しいですよね笑
他にも地球と火星以降で登場人物が変わったり、水星では「一体君たちは何をしているんだ・・」と感じてしまうような流れがあったりと、結局なんの話をしているのかわからなくなってしまう人が多いんだと思います。
まさにそう思った人は、ぜひ本書の最後にある爆笑問題太田さんのコメントをぜひ読んでいただきたいです。
「SFに慣れていない人、著者の作品を初めて読む人は、この本の内容がわかりにくいと思うかもしれない」
「でもそれを気にしないでほしい」
私も途中で投げ出しそうになりましたが、最後まで読むとなんとなく繋がりがわかってくるものです。そう作られている作品なんだと思います。
最後に、爆笑問題さんが所属している事務所の名前が「株式会社タイタン」というそうなのですが、もしかしなくてもこの本の影響を受けているのかもしれませんね。
それでは。
おまけ
わからなかった言葉
胆をつぶす:とてもびっくりすること
ほめそやす:頻り(しきり)に褒める
安普請:安い費用や材料で家屋を建てること
さしわたし:ものの直径、直接血のつながりがあること
追従:あとに付き従うこと、人の意見に従うこと
お追従:媚びへつらうこと